高いから美味しい訳じゃない。

焼鳥の美味しさを追求すると鮮度に尽きます。如何に新鮮な材料を使ってお客様に提供できるか?
これは店舗内部の人にしか解らない世界です。
都内の高級店販売価格1本300円以上の焼鳥は実は廃棄分も考えた上で値段を決められいます。
その日に仕込んだ全品が売り切れれば御の字ですが、毎日そうはいきません。なるべくお客さんに不満を持たれない
ようにと品切れ無きように仕込めば仕込むほど廃棄が出てしまうのです。お客様が食べない物の分まで原価率に入れて
計算されている販売価格を「やっぱり高級店は味が違うね」なんて解ったように言うお客さんが多いのは、日本人が昔から
『高いものは良いものに決まっている』なんて刷り込みを受けてきたからに他なりません。
一の酉のような立地と店構えでそんなやり方は無理ですから、必然的にお客様になんとか安くお腹一杯焼き鳥を食べてもらう
ことを考えて営業します。それには極力廃棄を無くすしかありません。店長は捨てる分のお金を貰うのは嫌ですから。
そこで2本縛りを今でもお願いする理由。1本からオーダー出来ればそれはお客さんは嬉しいでしょう。ただでさえ安い価格の
焼き鳥を最小本数で色々な味を楽しめるのですから。でもお店側からすれば常にトッピング豊富な40種類以上の串物を1本づつ
全部なんてオーダーされたら他のお客さんのオーダーが全くこなせなくなるのは火を見るより明らかです。ましてや店内ではどんなトッピング
の串物も均一価格ですから、2本縛りすることによって一人当たりのオーダーを数種類に抑制出来るのです。これは長年焼き鳥屋をやってきた
人にしか解らないでしょう。店頭の【一人だっていいじゃないやきとりだもの】のフレーズは焼き鳥を一本から頼めて一人だっていいという意味ではなく
一人でも気軽に来店してお腹一杯にリーズナブルな価格の焼き鳥を楽しんでいただきたいという思いから掲げています。
どうかご理解いただいて御賞味くだされば幸いです。 店主敬白

 



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